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岡垣 <深まる秋の曼珠沙華> [花]

関東では、別名のとおりちょうどお彼岸の時期に咲きますが、九州では少し遅めの九月終わりから十月にかけてでしょうか。そこであえてヒガンバナではなく、マンジュシャゲと書かせていただきました。しかしもう九州でも、終わっているかも知れませんね。

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人や地方によっては、彼岸という名前を避けて、こう呼ばれる場合が多いようですが、この他にもいろんな呼び名があるようです。どれも、ここで書くにはちょっと縁起が・・というような名ばかりです。

それにしても、形といい色といい妖艶というか・・また、気がついたらいつの間にか現れているような印象があって、不思議な花であることは間違いありません。

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ある時期になると忽然と現れ、あたりを赤く染め忽然と消えてゆくような、春の桜の持つ妖艶さに通じるものがあります。

球根に毒があることは良く知られていますが、この性質を利用してモグラや野鼠など、地中性の動物に田畑を荒らされないように、あぜ道などに植えられたのでは・・といわれています。また、土葬の習慣のあるアジア地方で、墓を動物に掘り荒らされないように植えたとも言われ、これが彼岸の時期に咲くこともあいまって、妖艶なイメージが固まったのかもしれませんね。

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一方、曼珠沙華という名は仏教用語で「天上の花」、おめでたい事がある兆しに、天上から赤い花が降ってくるという、仏教の経典があるそうです。逆のイメージですね。

逆といえば、この花はま夏の終わりに茎がすーっと伸びて、秋に花が咲き、その後球根から葉が出てきて、冬は葉のまま冬を越すのだとか。その間に葉で光合成をして、球根に栄養を貯め次の年の開花に備えるのだそうです。いつの間にか咲いているのは、このためですね。

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毒を利用した植え方もさることながら、華自身の合理的な咲枯のサイクル・・、自然の知恵にも深いものがあります。

撮影:2007年10月 L.T. <4枚とも>


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コメント 10

dalmy

お久しぶりです。
私はこの花、好きですよ。白やピンクのも最近はありますね。
(仏教的な思想にあまりとらわれない欧米で、フラワーデザイン用として開発されたのだという話ですが、真偽のほどは未確認です。)
その夏がどんなに猛暑でも、どんな残暑でも、きっちりお彼岸の頃に
姿を現す律儀さというか、不思議さというか・・・この赤い色が終わり、金木犀の香りがほのかに漂ってき始めると秋本番。ついこの間、
菜の花の黄色は良いですね〜なんて書込みをしたばかりなのに〜〜
by dalmy (2009-10-11 12:39) 

赤か毛

dalmyさん、お久しぶりでです。
ほんとに時間の過ぎるのは早いので、気が焦ってしまいます。
フラワーデザインというのにぴったりのユニークな形をしていますね。
他には見られない姿をしています。
でもなぜか、私は三十三間堂の千体千手観音の光背を思い出すのです。
曼珠沙華という名前にひっぱられているのでしょうね。
by 赤か毛 (2009-10-11 15:54) 

つぼっち

やっぱり彼岸花と呼んでしまいます。
何だか寂しげなイメージを抱いてしまうのはなぜでしょうか。
by つぼっち (2009-10-11 23:16) 

keykun

こんばんは。^^
燃えあがる炎の様な~
この花はとても印象深いですね。^^
山口百恵の歌詞にも出てくるので、
その分知名度が上がり得をしたかも・・。^^;

by keykun (2009-10-12 01:43) 

赤か毛

つぼっちさん、こんにちは!
お元気ですか?街歩きの中ではいろんな花に出会うのではないですか。
夏の終わりを告げる花なので、寂しさはぬぐえませんね。
私はどちらかというと妖艶さに惹かれます。
by 赤か毛 (2009-10-12 12:11) 

赤か毛

keykunさん、作詞は阿木曜子さんですね。
マンジュシャゲではなく、マンジュシャカ、というところが
さらにインドっぽくて、妖艶さをましているような気がします。(^o^ゞ
by 赤か毛 (2009-10-12 12:21) 

caramelpapa


百恵さんの歌っている「マンジューシャカ」は
歌詞の通り白い花
それが「マンジュシャゲ」のように
真っ赤に染まると

彼岸花は
北九州では彼岸入りの二三日前くらいから咲き始め
所によってはまだ咲いています

飢饉に際しては
非常食にもなるから
あえて不吉な名前を付けている
って説も聞きますね

  
by caramelpapa (2009-10-12 13:12) 

赤か毛

caramelpapaさん、こんばんは。
毒抜きの手間を惜しまなければ、栄養価が高いと聞きました。
最悪のときのために取っておくのですね。
by 赤か毛 (2009-10-12 17:33) 

TAke4

曼珠沙華と言えば、やはり山口百恵と書こうと思ったら皆書いてました。
私は明日が誕生日で51歳になるんですが、皆さん同年代なんでしょうね。
それから恥ずかしながら、彼岸花が曼珠沙華だとは知りませんでした。
~シャゲだったり~シャカだったりするんですね。
また勉強になりました。
九州でも、お彼岸前後に咲いているように思います。
by TAke4 (2009-10-12 17:48) 

赤か毛

Take4さん、こんばんは!
まったく同じ世代ですね!!
私は昭和34年生まれですが、早生まれなのでTake4さんと
同じ戌年の学年です。
この世代で御三家といえば・・、百恵ちゃんが入りますね(^o^;
そうですか?九州でもやっぱりお彼岸の前後であれば
素直にヒガンバナと書いたほうが良かったですね。
曼珠沙華は、サンスクリット語「マンジュシャカ」の当て字らしいです。
by 赤か毛 (2009-10-12 19:17) 

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