堀川へもどる <大膳堀と車返し> [川]
折尾大膳という地名があります。黒田長政の命を受け、堀川の掘削工事の指揮をとった、黒田藩の家老「栗山大膳」の大膳です。現代で言えばさしずめ、福岡県の土木部長さんでしょうか・・・
当初、貴船神社の東側を通るルートいわゆる「大膳掘り」で、掘り進めようとしましたが、赤土が崩れ落ち、掘っても掘っても埋まってしまうので、西側の現在のルート「車返しの切り通し」といわれる、岩盤を掘りぬくルートに変更しました。ただし、このとき大膳さんに代わり、優れた土木技術者といわれる一田久作が工事を主導しました。工事再開まで128年の年月が流れ、黒田家は6代目、継高(つぐたか)の世となっていました。
しかし、これもまた難工事で、固い岩盤を5.4mの川幅で400mを堀進むのに、9年を要したとのことです。写真のあたりには、その250年前の石工(石工事の専門業者)がノミで掘りぬいたノミ跡が残っています。 2時間も掘れば、そのノミは使えなくなり、鍛冶場が工事現場に造られたそうです 堀川の掘削工事は、この工事によって恩恵を受ける周辺の農民がかり出されました。今で言う「受益者負担」ですね。 しかし、この難所の工事は素人では無理で、上に書いたように石の専門家でなければ、できんかったようです。それもそのはず、この切り通しの高さは20mもあったのですから・・・
このような難工事の末、平らな部分へと掘り進み、現在の折尾駅あたりに出てきたのです。このあたり、ちょっとベニスはブラーノあたりの運河を連想させる風情があります・・・言いすぎですかね!? まぁ、地元出身者の欲目ということで勘弁してください。た、たしかに、綺麗とはいえない堀川ですが、俺だんのじいちゃんのひぃじいちゃんの、そのまたひぃじいちゃんぐらいの先人が、これだけ苦労して作ったものを、粗末にしてはいけませんね。
<撮影:R.T.>2007年1月※4点とも
大膳 たまに通りますが人の名前とは知りませんでした(^^ゞ
眼と鼻の先やけど中々散策する様な時間が無いけ
こちらで楽しませてもらいます
by 焼きとりおいちゃん (2007-02-28 15:48)
焼きとりおいちゃん!!
ようこそ「洞海湾通信」へいらっしゃいました!
北九州弁の書き込みも、でたんうれしいです!!
近くにおんしゃるんやったら、いつでも遊びに来て下さい。
折尾だけやなくて、洞海湾・遠賀川周辺の話題を掘り起こして
地元の人とか、出ていった人だんに楽しんでもらえたら
っち、おもいよります。
自分も今は東京におって、なかなか帰れんけ、友達にあちこち
写真撮って、送ってもらいよんですよー。
これからも宜しくお願いしますm(_._)m
by 赤か毛 (2007-02-28 16:13)
私事ですが、大膳生まれです。
由来がわかって驚きました。
楽しいブログになっていってますね。
by 茶色で多か毛 (2007-02-28 17:34)
茶色で多か毛さん!
大膳生まれやったたんですか!?
栗山大膳さんは、その後のお家騒動で、苦労されたようですが
また、詳しいお話をいつか特集させていただきます。
大膳橋、大膳堀など、地域に根ざした名前として残っていますよね!
風景や遺構は失われても、最低限地名だけは残して行きたいです。
これからも、どんどんコメント歓迎です!よろしくお願いします。
by 赤か毛 (2007-02-28 17:54)
最近折尾駅にいくことが多いのですが
こんな苦労があったんですね・・・。
知らないって事は本当ダメですね。
物の苦労をしるとあんな風にはならないんでしょうが・・・(^_^;)
堀川綺麗になるといいけど・・・。
cafeですがあの場所決定しました!
後は工事がうまくすすんでいくことを願うだけです!
私のブログで今度からは工事の過程を写真で
アップしていくつもりですので
またみにきてくださいね
by くろねこ屋 (2007-02-28 22:21)
堀川って運河だったんですよね。ブラーノにはひいきめにみてもかないませんが舟の通る川って凄く魅力的やと思います。堀川だってちょっと昔まで舟が行きかう賑やかな川だったはず。せめて小舟が通れるぐらいの水量の確保、なんとかならんかね~。そういえば2年ほど前に堀川でポロロッカに似た現象を見てびっくりしました。堀川をかけのぼるその光景感動的でした。
by 薄か毛 (2007-02-28 22:48)
くろねこ屋さん!お久しぶりです。
そうですか!?決断されましたか!
工事がうまく行くといいですね。なかなか心配事が多いと思います。
私も一応は建築家ですので、何かお役に立てることがあれば
お気軽に、聞いてください。
工事写真楽しみにしています。
by 赤か毛 (2007-03-01 06:19)
薄か毛さん!そうですよねー。
川にはやっぱり舟がいりますよねー。
運河なんですから、やっぱり物運ばんと、絵にならんですよね。
でも、その時代は終わったので、せめて舟を浮かべて
遊べるような状態に出来ればいいですね。
「ちょっと駅いってくる」っち、舟でいけるとか面白いし
その先に舳先を延ばせば、洞海湾まで行けるなんて最高です。
ところで『ポロロッカ』っち、聞いたことある言葉ですが
どんな現象ですか?
by 赤か毛 (2007-03-01 06:25)
ポロロッカとは、アマゾン川で毎年最も大きい大潮の時に起きる
河口から上流に向けての津波のような大逆流のことではありませんか?
それにしても堀川にもポロロッカが起きていたとは...
今年は何時起きるのでしょうか?
是非見たいものです。
by 薩摩飛脚 (2007-03-01 16:00)
へぇー、飛脚さん博学ですねー。
パナマ式の唐戸といい、ポロロッカといい、
堀川と南米との共通点、なかなか味がありますばい
それにしても、舟で堀川とおって、遠賀川から洞海湾まで行けたり
河岸の柳の木を復活させたり、できんもんでっしょうかねー
by 赤か毛 (2007-03-01 17:27)
はじめまして、64期古野と申します。
生まれも育ちも堀川端の車返しです。
堀川についてはいろいろ思い出がありますが
近年、帰省のたびに鷺をみかけます。川守神社付近。
兄の話によるとかわせみを見たというのです。あの清流に棲む。写真をみせて確かめましたら、「かわせみぐらい知ッチョらい」とのことでした。
by NO NAME (2007-03-15 16:38)
64期古野様
ようこそ「洞海湾通信」へいらっしゃいました。
さっそくコメントありがとうございます。
堀川にカワセミが居るんですか!?びっくりですね。
鷺は遠賀川近辺の田圃やら溜池におりますんで、ついでによっても
おかしくないとは思いますが…
どうしても高度成長時代の公害のイメージがつきまといますが
皿倉方面の蛍といい、今回のカワセミのご報告といい、
北九州は意外と自然が豊かで、まだまだ捨てたものでは無いと思います。
今後ともコメントを宜しくお願いいたします。
by 赤か毛 (2007-03-15 17:06)
三大騒動の黒田騒動で有名な栗山大膳ですね。
結局、大膳は責任を取って、
南部藩預かりになったのですね。
by CP (2007-05-14 00:15)