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平尾台 <秋の気配> [季節]

時の流れは早い。気がつけば秋の気配が・・・、と嘆息してもこの景色の持つ、時の流れにはひたすら脱帽する。いくら矢のように早く流れたとしても、三億年というときの流れの前では、ただの言い訳に過ぎない。

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夏だ、台風だ、豪雨だと振り回されたこの夏だったが、このカルスト台地の風景が生まれるに至った気の遠くなるような期間には、どのような出来事が起きたのか・・・

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三億という数字が、どれだけ気の遠くなるような大きさか・・・

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羊の群れにたとえられる石灰岩は、その昔赤道付近の浅瀬にあった珊瑚やその死骸の堆積物だった由。それが太平洋プレートの移動によって、この地まで到達した時間・・・

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さらには、8万年前の阿蘇山の噴火によって、この石灰石が熱せられ、丸みを帯びただけではなく、化石となってその形を残していた生き物も、その姿を消してしまったという・・・

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はるかな時間の流れに、思いをはせようとしても、漆黒の闇に行灯を翳すように、向こうが見通せないジレンマに陥る・・・

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遠くに見える香春も、海を隔てた秋吉・四国のカルストも、同じ珊瑚のコロニーだったと思えば、「日本三大カルスト」などと分別しなくても良い様な気分になってしまう・・・

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ただひたすら、目前のすばらしい景色に意識を戻して、現世を懸命に生きることの大切さを、再確認する。

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撮影:L.T. 8枚とも <2008年9月>


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二つ目草

お久しぶりです。

日本三台カルストそれぞれの地で暮らしたことのある私は、
ついついそれぞれの優劣を付けようとしてしまいますが、
赤か毛さんのスケールの大きな視点に驚かされます。

平尾台の上に立ち、その地が辿った赤道からの長い旅に思いを馳せながら
秋の風に吹かれてみたい、そんな気になりました。
by 二つ目草 (2009-09-23 22:33) 

お茶屋

どのお写真も・・・
色合いといいますか、光の感じが
見事ですね☆
by お茶屋 (2009-09-24 00:07) 

keykun

おはようございます。^^
吹き抜ける秋の風がススキを揺らし、
爽やかに時の流れを伝えてくれるようです。^^
如何に生きたか・・。ですね。 ^^)
by keykun (2009-09-24 07:26) 

Take4

久しぶりのUPですね。
去年の写真のようですが、すっかり秋ですよね。
今年は九州も8月末から少しずつ涼しくなってきました。
しかし、詳しいですね。
カルスト台地って、そういう歴史の上に存在するんですね。
また勉強になりました。
いつも楽しみにしていますので、最低1月に1回は更新して下さいね。
by Take4 (2009-09-24 12:48) 

赤か毛

二つ目さん、御無沙汰しております。
久しぶりの更新にも関わらず、いち早くうれしいコメントを頂き有難うございます。
ついつい忙しさのせいにしてしまって、自分を正面から見つめることを
怠ってしまいがちなところ、また元気をいただきました。
これからもよろしくお願いします。

by 赤か毛 (2009-09-24 17:44) 

赤か毛

お茶屋さん、いつも温かい目線で眺めていただき有難うございます。
いつかお茶屋さんのお茶をいただきたいと思っています。
by 赤か毛 (2009-09-24 17:45) 

赤か毛

keykunさん、いつも有難うございます。
如何に生きるか・・・ほんとうにそうですね!
最期に振り返ったとき、ああ、良かった、と思えるように出来たらと
思うのですが、逆にそうではなく、今を一生懸命生きなければ
そう思えないのでは、とも思います。
なかなか難しいものですね。
by 赤か毛 (2009-09-24 17:49) 

赤か毛

take4さん!ほんとうに有難うございます。
楽しみにしていて下さって、嬉しい限りです。
これからもなんとか続けてゆきたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
現在私の住んでいる東京と北九州では、季節の変わり目が
微妙にずれていますよね。
今年も平尾台はこの様な平和な姿を見せてくれているでしょうか?
by 赤か毛 (2009-09-24 17:55) 

やんま

お初です。
素敵な写真に、深遠な文章。
赤か毛さんは、詩人ですね。
私なら、「お団子の話」と「羊が一匹・・・」
という話題になってしまいそうだなー。
また、寄せてもらいます。
by やんま (2009-09-24 22:01) 

赤か毛

やんまさん!ようこそ洞海湾通信にいらっしゃいました。
実は、4月以来の更新なので・・つい、照れ隠しのように
硬い文章になりました。
過去の記事を見ていただければ、結構おちゃらけていたりします。
お暇なときに、いつでも覗いていってください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

by 赤か毛 (2009-09-25 06:19) 

風来坊

お久しぶりです。さぞお忙しかったのだろうと思っています。
L.Tさんの撮った写真をPCの壁紙にしようとしたら、フルサイズでできず、
他の壁紙にしちゃいました。残念。
やんまさんの言うように、赤か毛さんは詩人です。

by 風来坊 (2009-09-25 17:21) 

hobashira

今晩は!
平尾台のススキを見てると、まさに秋を感じます。
3億年の時の流れですか、阿蘇の噴火でも8万年前、
ここは自然の宝庫、何時までも残して置きたいですね。
by hobashira (2009-09-25 19:31) 

赤か毛

風来坊さん、お久しぶりです。
ご無沙汰してすみませんでした。
写真サイズは落としてあるんですが、まだ大きいですか?
私はユスラウメを壁紙にしていますが、癒されると同時に
力ももらっています。
また、風来坊さんのようにいつもご訪問くださる皆さんに
元気付けられて、何とか続けられています。
本当にありがとうございます。
by 赤か毛 (2009-09-26 12:22) 

赤か毛

hobashiraさん、こんにちは!
平尾台には川がなく、降った水はみな地下の鍾乳洞へと流れて
どこかへ流れ出ているようですね。
この石灰の層でろ過されて、きっと美味しいミネラルウォーターに
なって、出てきているのではないかと思います。
その水でお米ができたり、魚が育ったりしているんでしょうね。
なんだか、追いかけていって確かめてみたい気分になります。
by 赤か毛 (2009-09-26 12:27) 

つぼっち

まるで日本じゃ無いようですね。
世界には、不思議な風景がいっぱいあるなぁ、
と思わずにはいられません。
そんな風景を見られるのも、長い歴史の中の「偶然」なのですね。
by つぼっち (2009-09-26 23:15) 

赤か毛

つぼっちさん、おはようございます。
ほんとにめぐり合わせというか、偶然の積み重ねが
現在を形作っていると考えると
この風景も、より貴重なものに感じます。
プレートがちょっとずれていたら・・・
阿蘇が噴火しなかったら・・・
by 赤か毛 (2009-09-27 06:01) 

響

北九州にいると
ただなんとなく平尾台に行ってみようかな?って気持ちになるときがあります。
化石が無いのは熱が加わったと習った記憶がありますが
阿蘇の噴火が原因なんですね。
気の遠くなる歳月が作り上げた風景は一言では言えないです。
あまりセメントを取って壊さないで欲しいです。

by (2009-09-30 18:19) 

赤か毛

響さん、こんばんは!
やっぱり地球の営みの恩恵で、私たちは生きているんですね
コンクリートなくなったら建物とか橋とかできんし・・・
でも、この風景は残してゆきたいし・・・
知恵を絞らんといけんですね。
やっぱ人間やけ、知恵絞らんと・・・
ちなみに、阿蘇山の話は↓ここからの受け売りです(^o^;
http://www.educ.pref.fukuoka.lg.jp/bunka/cgi-bin/detail/detail.cgi?number=12
by 赤か毛 (2009-09-30 23:26) 

takaki-i

久しぶりです。
私が平尾台の写真を見てなっかしがったり思い出したりする日々は平尾台の出来た年月からすればほんの一瞬のかけらでもないでしょうが私の生涯では忘れられないページの一瞬です。
な~んて。秋吉台と共に思い出のカルスト台地です。
by takaki-i (2009-10-01 14:26) 

赤か毛

takaki-iさん、こんばんは!
いつごろの記憶ですか?  
という私もかれこれ30年以上前の平尾台です。
3億は、30の1千万倍?
はぁ~・・・
by 赤か毛 (2009-10-01 22:06) 

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