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岡垣 <鐘の響く海> [物語]

いつの間にか、蝉の声が虫の声に変わって・・・

人が暑さにめげている間にも、着々と実りの準備を進めていた営みがあったことに気づかされます。

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ここは岡垣、地の島を望む鐘崎周辺の水田です。まだ、青い田んぼもある中、早稲を植えた田んぼには黄金の粒が実り始めています。

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鐘崎はその昔、朝鮮からの貢物として、大きな釣鐘を運んでこられた場所として語り継がれ、その地名に物語を宿しています。その釣鐘が到着直前に沈んでしまい、今まで3度にわたる引き上げの挑戦にもかかわらず、いまだその鐘が上がっていないという話は良く知られています。大正8年に田川の勇者が、大金をはたいて引き上げた、釣鐘の形をした大石も・・・。古代の物語が、現代に連綿と繋がっている、と思いたくなるようなロマンが、この地域一帯に漂っています。

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神功皇后ゆかりの織幡神社や、織幡海人の流れを汲む海女発祥の地。航海術と潜水技術に長け、連綿と千幾百年も続く海洋部族の誰かは、沈んだ梵鐘の姿をある日見たのだろうか・・・

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沈んだ梵鐘は水の神・龍神に守られ、風が強く波が騒ぐ日には、良い音色を辺りに響かせたそうで、鐘崎より東の海を、響灘と呼ぶようになったと伝えられています。

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撮影:2007年9月 L.T. <6枚共>


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お茶屋

すっかり秋の感じが漂う、
そんな季節になりましたね☆
by お茶屋 (2008-09-16 10:27) 

keykun

こんにちは。^^
もう稲が色付いているのですね。
OSAKAはもう少し遅いようです・・・。 ^^)
爽やかな季節が感じられます。 ^^
by keykun (2008-09-16 11:09) 

つぼっち

こんな景色の中を、ぷらっと散歩してみたいです。
by つぼっち (2008-09-16 12:10) 

赤か毛

お茶屋さん、おはようございます。
季節はめぐる、そういう言葉に、年々大きな意味を感じるようになりました。
by 赤か毛 (2008-09-16 12:11) 

赤か毛

keykunさん、実りの秋は、祭りの秋でもありますね!
だんじりもこの季節の大切な行事だと思いますが
やはり五穀豊穣を祈念する勇壮なお祭りですね。
by 赤か毛 (2008-09-16 12:17) 

赤か毛

つぼっちさんには、できたらいつか北九州の街々を歩いていただきたいです。
気に入っていただけるような街角がたくさんありますよ!
by 赤か毛 (2008-09-16 12:18) 

jall

実りの秋がやってきますね。
フルーツが美味しい季節ですね。
松茸も。。。
吸い物でがまんしとくか。。。(笑)
by jall (2008-09-16 22:46) 

赤か毛

jallさん、おはようございます。
九州は果物おいしいのがたくさんありますよね。
秋は、巨峰とか梨、それから運動会のときに食べた
まだ緑の皮のみかん・・・
まったけ、香りだけでも楽しみましょう(^o^;
by 赤か毛 (2008-09-17 07:52) 

響

鐘崎ってそんないわれがあったのですね。
ここのサイクリングロードを久しぶりに走ってみたくなりましたよ。
ちなみに湯川山の鉄塔は僕が高校生の時にバイトで建てた思い出の鉄塔です。(きつくて死ぬかと思った)
by (2008-09-18 20:20) 

takaki-i

日本海に面した北九州は太平洋に面した房総と比べると若干季節の違いがあるのですね、房総の稲刈りは殆ど終わりを迎えようとしています・・・
海辺のほうは子供の頃、海水浴に行った思い出が多いところです。
by takaki-i (2008-09-18 21:51) 

赤か毛

響さん、おはようございます。
湯川山は、金崎の付け根の山ですね。
地図で見るとNHK、NTT、九電と三種類の鉄塔があります。
いずれにしてもちょうど福岡と北九州を中継する重要なものばかり。
きつかった思いは、多くの人たちの生活を支えていますよ!
すばらしい体験でしたね、お疲れ様です。
昔から、この鐘崎を越えていくといつ帰ってこられるか・・・
というように、国の境として重要な位置にあったようですね。
by 赤か毛 (2008-09-19 10:06) 

赤か毛

takai-iさん、房総はもう稲刈りが済みましたか!?
早いですねー!
私も、母方の里が岡垣は内浦でしたので、波津の海水浴場には
思い出が多いです。
当時はほんとに田んぼばかりで、蛍や沢蟹がたくさんいました。
by 赤か毛 (2008-09-19 10:10) 

赤か毛

PS.響きさん、そういえば、もしサイクリングにお出かけなら
内浦に、「すし屋台」という、コンテナを改装した、ちょっとおもしろいすし屋があります。
お薦めですよ。
by 赤か毛 (2008-09-19 10:12) 

二つ目草

ちはやぶる鐘の岬。
古より海上交通の要所であり、難所でもあったところだそうですね。
沈鐘伝説も日本各地にあるようですが、
鐘崎の場合は竜神が鐘を欲しがって沈めたということで、
ちはやぶる海を何とか鎮めようという海人たちの気持ちの表れなのでしょう。
そういう点からは、鐘を引き上げてしまうのは余計なことだったはずですが、
引き上げた鐘が石になってしまうあたりは、伝説としてうまくできています。
西日本海女の発祥といわれる鐘崎海女は、能登辺りまで出稼ぎに行っていたということで、
ここは、私の海人に対する興味の発祥の場の1つでもあります。
by 二つ目草 (2008-09-20 10:11) 

赤か毛

二つ目さん、こんばんは!
鐘崎の話題を取り上げようと調べているうちに
いち早くこのテーマを取り上げて解説されている二つ目さんの
http://futatsumekusa.air-nifty.com/blog/2004/10/post_1.html
ページに行き当たりました。
沈鐘伝説の詳細は、二つ目さんのレポートにお任せするとして
響灘の名前の由来を、今回初めて知ったことを付け加えたかった
というのが、今回の特集のポイントです。
それにしても、さらに
「ちはやぶる海を何とか鎮めようという海人たちの気持ちの表れなのでしょう」
という、新たな視点を与えていただき、「なるほど」と得心した次第です。
これからも「海人」の探求、楽しみにしています。
by 赤か毛 (2008-09-20 20:38) 

cloud9

本当にすっかり秋の気配ですね、鈴虫が鳴いています^^
こう言った所をのんびりとカメラ片手に散歩してみたいです♪
by cloud9 (2008-09-22 18:42) 

maru

近くなのに、鐘崎の伝説など知りません。こんなにしてブログで教えていただけると有り難いですね。
内浦って何処だろう、寿司屋台興味が湧きます。寿司大好きです。
また面白いもの、期待しています。
by maru (2008-09-22 20:26) 

赤か毛

cloud9さん、おはようございます。
気がつくと季節は移っていますね。
でも、カメラマンにとって毎日表情が変わってゆく日本の四季は
恰好の被写体を次々に提供してくれます。
今日は晴れ、多くの方がレンズを携えて、繰り出されていることでしょう。
by 赤か毛 (2008-09-23 08:55) 

赤か毛

maruさん、こんにちは!
内浦は「うつら」と読みます。
場所は、鐘崎の手前、波津の海岸の内側です。
たとえば芦屋の競艇場の前の道を、ずーっと福岡方面に
来て頂くと、成田さんや宗像方面へ行く道と海老津へ行く道の交差点に出ます。
それを右折して波津の海岸へ出るところに、あります。
コンテナですから、すぐにお分かりになると思います。
by 赤か毛 (2008-09-23 11:36) 

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